カラス

誰もカラスと共存してるなんて考えない。

目を合わせれば鳴きながら飛びかかってくるさまが脳裏に焼き付いているからだ。

カラスにはどんな役割があるんだろうか。

黒くてダミ声で獰猛で威圧的。

油断すれば頭に糞を仕掛けてくる。

せせら笑うかのように飛び去っては塵を漁る。

何を暗示するのか。

カラスが鳴いて安心なのは、夜の帳がおりようとしている時分だけだ。

世界に夜を呼ぶのが仕事なのかもしれない。

見上げた空は

ノイズまじりのラジオを持って
君と二人どこに行こうか
些細なことで笑いあえる時間を幸せに思える


淡い光に目を奪われて
綺麗だって呟いた君を
呆れるほど眺めていたいと思えたんだ


君と会って ずっと歩いていける気がしたんだ
僕にはこれからの日々を大切にしたい
君が不意に見せる笑顔も泣き顔も刻むよ
虚しいだけのこの世界が壊れてしまうまでに


見上げた空はまるで
くすぐったいほど透明で柔らかで綺麗だよ
ほら今日も世界は何も変わらずに
ここにある



だけど




世界は壊れてしまった
七色のプリズムが足元に転がる
この汚れた手じゃ涙も拭えない
すべてが終わりを告げた